浦添市内には、9基の「おもろの碑」が建てられています。そのうちの「仲間交番前の碑」「浦添カルチャーパークの碑」「屋富祖公民館の碑」を訪ねました。「おもろ」は、「思い」と同源の語で,神に申し上げる,「神の歌」の意、 沖縄の古代歌謡、古代琉球人の民俗・信仰・労働などを歌った幅の広い叙事詩です(大辞林第三版)。「碑文」「対訳・説明」は摩耗し、読みにくいのですが、できるだけ読み、転記したいと思います。
参照(浦添の歴史を探る|おもろの碑 http://history.urasoeshikankou.jp/omoro.html)
01-0214 仲間交番前
02-0214 仲間交番前の碑
03-0214 仲間交番前の碑
04-0214 仲間交番前の碑
【対訳】 浦添の根国 永遠に積もる黄金 浦添にこそ 渡嘉敷の真国
【解説】 古い沖縄の神歌を集めた書物 おもろそうし の中に登場するもので、浦添の繁栄を讃えた一首です。「浦添はいつまでも、黄金がたまるほどの繁栄が続く。これほどの栄華は浦添にしか見られない」と述べています。根国・真国は浦添の土地をほめた使い方。渡嘉敷は、浦添の古称としてオモロでよく使われます。古い時代、浦添は渡嘉敷と呼ばれていたが、やがて琉球の政治的な中心となったために、「うらおそい」(津々浦々を支配する土地)という名前に変わった、とする意見が有力です。
05-0214 浦添カルチャーパーク
06-0214 浦添カルチャーパーク
07-0214 浦添カルチャーパークの碑
08-0214 浦添カルチャーパークの碑
09-0214 浦添カルチャーパークの碑
【対訳】 浦添は 浦添には 神酒がある 酒がある 多謝 多謝 今日は 今日は 世寄せによの方を招き 渡嘉敷は 渡嘉敷には 酒がある 神酒がある
【解説】 古琉球の時代にうたわれたオモロ(神歌)を集めた書物おもろそうしに登場する歌の一つです。浦添には酒が満ちあふれている、その豊かさに感謝して、今日は酒宴を開こうではないか、という意味になります。酒が多いのは、生産の盛んな豊かな土地だという自慢なのです。「世寄せによ」は、幸福を招く人の意味で、浦添城に君臨する指導者のことを指しているのでしょう。渡嘉敷は浦添の別称です。明るく、おおらかな気分でうたわれた浦添賛歌です。
10-0214 屋富祖公民館
11-0214 屋富祖公民館拝所のガジュマル
12-0214 屋富祖公民館の碑
13-0214 屋富祖公民館の碑
14-0214 屋富祖公民館の碑
【対訳】 親富祖の大親 大屋子の貢租 上り行けば 太陽(王)は誇り給いて 又吉の大親 大屋子の棒物 今日の良かる日に 大屋子の棒物 今日の輝ける日に
【解説】 このオモロは親富祖の大親、又吉の大親と呼ばれる村の役人が、王に献上物を届ける状況を詠んだものです。この場合の「王は浦添グスクに君臨した人物、あるいは首里城の王様のことでしょう。親富祖のムラは一七世紀に廃止され屋富祖村に吸収されたと推定されます。屋富祖を直接詠んだオモロではないことから、このオモロが屋富祖にかかわる唯一のものです。