JICAシリア事務所では、年8回、「ボランティア活動報告会」が行われ、時期に合わせて、派遣隊次ごとに、中間報告・最終報告がなされます。
2011年1月20日(木)の「ボランティア活動報告会」では、22年2次隊SV-7人の中間報告が行われました。職業教育、化学教育、土木/ダム管理、自動車整備、日本語教育、自動車エレクトロニクス、服飾デザインと、それぞれの分野は異なりますが、周りとの良好な関係作りに努めながら活動している様子が伺えます。
今回、報告者となり、報告会資料作りをするなかで、これまでの活動を振り返り、活動の進捗状況・成果や課題等についてまとめ、これからの活動を考えることができました。
写真1
写真1スクリーン後列真ん中の生徒Rは音楽と演劇が好きで、アカデミーの演劇クラブに属しています。彼に誘われ、これまで何度か、演劇や音楽発表会に出かけ、観客の反応などを含め、興味深く鑑賞しました。
ホムス工業専門校は、市の南端ガラージュの東側、徒歩10分ほどの所にあり、学生数約350人、教員約70人で、電子・電気・化学・食品・機械・自動車の6科があります。
化学科には12人(男性2名、女性10名、40~50歳代、専門学校卒以上)の教員がおり、理論と実験実習による職業訓練教育が行われています。
赴任時に、来週中と言われ、机・腰掛けとコンピュータが揃ったのは、勤務開始から約3週間後でした。ここでは、ことある度に、明日とか、来週とか言います。しかし、「明日(カブラ)」は厳密な意味での1日後ではありません。「インシャー・アラー(神の思し召しのまま)」なのです。実現するまで、粘り強く、何度も言い続ける必要があります。
写真2
写真2-校門左側にあるのは、ゴミ収集用の台車で、門は半開のまま使用し、午後3時前には閉まります。高卒対象の工業専門校と中卒対象の職業訓練校が隣接しており、学校の外には塀が長く続いています。
本校自動車科では、学校で理論的な講義を行い、実習は隣の職業訓練校で行っています。マネージャーに訪問依頼をし、2010年3月3日、自動車科教員のT氏とともに、職業訓練校を訪ねました。
授業終了後でしたが、見学途中、実習中の場面に遭遇しました。近くの歯科関連学校の生徒(男2女5計7人)が「溶接」の実習をしていたのです。火花が飛び散るのを溶接面で保護しながら溶接し、冷却後、ヤスリで磨いていました。(写真3)
写真3
職業訓練校前からバスに乗った生徒が、アルバース大学前で降りるのを見かけ、「職業訓練校の生徒が何故?」と思ってたのですが、実は、大学生が職業訓練校で実習をしていたのです。ダマスカス大学の繊維学部の学生も繊維学校で実習をしているそうです。
シリアでは、機器が整備されていない分野は、大学や専門校等で理論的な講義を行い、実習は機器が整備された職業訓練校等で実施することがあるのです。